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「鏡開き(餅つき大会)」…平成26年

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月日の立つのはほんとに早いものです。今年も一カ月が終わろうとしておりますが、本塾の親睦会主催二大行事の一つである「鏡開き(餅つき大会)」が先日19日に開催されました。鏡開きの説明は過去にもしておりますので今回は省かせていただきます。
さて、それぞれの催しには主催者としての目的があります。合気道の団体ですから普段は当然合気道が中心です。子供の部は子供の部としての合宿、合同審査会など等、一般の部は一般の部の方を対象としての講習会など数々の行事が組まれています。
そこで塾生だけではなく、本塾に関わる全ての方を対象とした催し事として「芋煮会」、「鏡開き」を二代行事として位置づけております。
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塾生はもちろん、保護者、配偶者、祖父母など何方でも参加していただけます。
芋煮会は東北地方(特に宮城県、山形県)に昔から伝わる季節行事であります。以前は職場で、近所で、知人友人で、家族でと行われ「今年は何回芋煮会に参加した」という会話があちこちで交わされていたそうですが、今は「今年は芋煮会に一度も行かなかった」と話されたり、芋煮会の話題などしなくなったりと昔の風習が消えつつあります。
餅つきも同様です。私の小さい頃は近所または親戚の家に集まり皆が協力して餅つきを行いました。
朝の4時頃だと記憶しておりますが、真っ暗で寒い夜明け前に子供心にも何となくウキウキとして親の後について近所の親戚の家に出かけたことを思い出します。
小学校の低学年ですから何もお手伝いは出来なかったのかも知れませんし、ひょっとしてお手伝いになったのかも知れません。その時の記憶はあいまいですが、かまどで焚く薪を運んだり、小さな子供の面倒(遊び相手)を見たのは事実です。
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何しろ餅つきを始める前から辺りは戦場です。女の人はもち米を蒸かして臼に入れ、それを男の人は交代で杵で搗いていきます。搗きあがった餅を丸めて「丸いお餅」にするのですが、何も入れないお餅と、中に餡子を入れたお餅の2種類を作ります。また四角い木で作った枠の中にお餅を入れます。(後で適度の硬さになったお餅を四角く切るのです。…ちなみに私の出身は徳島県ですが、その頃のお雑煮は白味噌に餡の入った丸いお餅です。特に味噌汁の中にお餅から餡が溶け出してきたものを食べるのが最高なのです。皆さんに説明すると気持ち悪がられますが大変おいしいものです。もう何年も郷里のお雑煮は口にしておりませんが、非常に懐かしいです…)
その頃は子沢山でしたから、近所の何軒かが集まると高校生から赤ちゃんまでそれはそれは賑やかでした。高校生のお兄さん、お姉さんは立派な戦力です。大人たちに混じって率先して働いています。小学生の低学年の子供は赤ちゃんの面倒を見たり、よちよち歩きの子供が大人の邪魔にならないように遊び相手をします。目を離せば燃え盛っている薪に手を入れたり、井戸(まだつるべ井戸の時代です…つるべ井戸と言ってもお分かりにならない方の方が多いのでしょうが、紙面の関係上説明は割愛します)に落ちたりするかも知れません。今と違って大怪我をしたり死に至ったりする環境はあちこちに見られました。
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その傍らで丸めたばかりのお餅をつまみ食いしたり、餡子だけを舐めてみたりと大人に叱られながら餅つきが終わるまで楽しい一時を過ごしたことが思い出されます。
それが時代と共に変化し、私が小学生高学年になった頃には近所のお米屋さんに餅つきの機械が導入され(興味があって見に行きましたが、大きな臼の上から大きな杵を動力で引いて上げ下げするものでした。見たことがない方は想像できないかも知れませんが、お寺の鐘突きを縦にしたものと言った方が分かりやすいでしょうか? なお分かり難いでしょうか? 「百聞は一見に如かず」ですね)、お金を出せば依頼した日にお餅が届くようになり、いつの間にか集まってお餅つきをすることもなくなり、杵と臼は物置の片隅に追いやられ無くなってしまいました。高度成長期と共にこのような日本の原風景が失われていったのです。
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そして、特に都会ではお正月にお餅を食べないという方も増えてきたそうです。お餅を食べないのですから餅つきなどと言っても分かるはずもありません。どんどん日本の原風景が無くなっていく中で、それを憂う方も出て来てお正月の餅つきくらいはどのようなものであったのか、今の子供さんにも教えたいということで、10年以上前くらいからでしょうか、幼稚園で餅つきをしたというお子さんも見かけるようになりました。
芋煮会にしても餅つきにしても、現代社会でなくてはならないものではありません。いやむしろ手間ばかりかかるので合理的な生活からはない方がいいのかも知れません。そのようにして日本古来のものをどんどん切り捨てていけば、気がついた時には残ったものは何もない。日本人としてのアイデンティティーが何もないということになるのかもしれません。それを言えば日本武道の中の一つ「合気道」もそうかも知れません。
話がややこしくなりましたが、今まで述べて来たようなことを含めて、日本人の、東北人の風習を少しでも味わっていただくために…それも大人の方と子供さんが一緒になって…行っている行事の一つが「鏡開き・餅つき大会」であります。
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今年も親睦会の役員の方を中心に、お母さんお父さん方にもお手伝いをいただき無事終了することができました。今年の申し込み者は199名(一般塾生24名、子供塾生80名、保護者81名、塾生以外の子供14名…大人・105名、子供・94名)と200名の大台に一人不足でしたが過去最大の参加者でした。
親睦会の役員の皆様、お手伝いいただいた保護者の皆様、そして参加して頂いた全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
◆鏡開きの写真はこちら
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by shinbu_369 | 2014-01-30 20:13