
「修錬館合気道場…ホシ道場長」はブダペストに行く途中のビリッシュセンティーワンという小さな町にあります。40畳ほどの小ぢんまりした道場でした。ここには初めてまいりました。稽古はやはり要望により簡単な鳥船の行から始め、一時間の指導を終えてレストランで夕食をいただきました。ここのレストランでも料理が出て来るまでには1時間以上かかったでしょうか。日本人だと怒り出す人がいてもおかしくないほどなかなか出てきません。「郷に入っては郷に従え」ですね。のんびりと話をしながら待ちます。デザートはパスをして食後にコーヒーをいただき、2時間半くらい過ごしてレストランを出ました。夜12時過ぎに帰りシャワーを浴び、午前1時頃にベッドに入ったのですが、目が冴えて眠れません。今頃時差ボケが始まったのでしょうか?
明日は帰国だというのに目が冴えて眠れません。一時間も横たわっていたでしょうか。
今までハンガリーに来て時差ぼけになったことはありませんでした。≪時差ぼけ予防の最適な方法…着いた夜すぐアルコールを沢山いただき、十分に酔って眠ることです…8時間~10時間眠ればすっきりです。もう時差ぼけはありません≫
ところが今回は最後の晩になって、突然夜眠れなくなりました。何故でしょう。レストランでワイン一杯だけだったからでしょうか?

仕方なく起き上ってパーリンカを飲みました。少し飲めば眠くなると思ったのですが、ますます眠れなくなり、ちびりちびりとインターネットを見ながら5時頃まで起きていました。最近はインターネットが発達しておりますので、日本の新聞もリアルタイムで読むことができます。以前は2週間も海外にいますと、帰ってきた時にはその間の日本の事情は全く分かりませんでした…浦島太郎状態です…ので、取り置いてもらった新聞を丁寧に読んでおりました。それだけで帰国後かなり時間が取られてしまいます。今は産経新聞をiPadで取っていますので、日本のニュースは毎日手に入ります。その他のニュースもインターネットで日本にいる時と同じように見ることができます。当然大雪のことも知っておりましたし、竜次からのメールで利府道場・仙台南道場の雪掻きが大変だったことも連絡がありました。直接その場に行って行動することはできないのですが、ほんとに便利な世の中になったものです。
カルガリーは厳冬、マイナス20度前後の日が続いているようですし、日本では近年にない大雪、先週の仙台では観測史上3番目となる35センチの積雪。首都圏でも交通マヒなどで大混乱でした。ところが欧州は暖冬…近年にない暖かさ…五輪が行われているロシアのソチも暖冬で雪不足だとか…

ところで、ハンガリーではオリンピックの話題はゼロ。全く誰も口にしません。ゾリの自宅でも、ラスロの自宅でも、レストランでも、サウナでもオリンピックのテレビをつけている所はどこにもありません。日本は大いに盛り上がっていますが…これもお国柄なのでしょうか。ハンガリーは山がないのでスキーは盛んではないとのことですが、スケートはよくやるのだそうです。昔は湖、川などでよく滑ったとのことです。最近は昔のように寒くないので、外の川や沼、湖で滑れなくなったと言っておりました。これは日本の北国でも同じ現象が起きているようです。私の家内の実家(長野県小諸市)でも、小学校の体育の時間に田んぼの跡地に水を撒いて手作りのスケート靴を履いたり、中には下駄のままで滑る男の子もいたそうです。私は四国(徳島県)の育ちですから、東京に出て来るまでスケートなどしたことがありませんでした。学生時代後楽園のスケート場に始めて連れて行ってもらい、散々転びながら楽しい時間を過ごしたのですが、終わってからスケート靴を脱いだ時の足の痛いこと、痛いこと。そんなこともあってスケートは好きにはなりませんでしたので、学生時代3回くらい行ったきりです。
朝の5時過ぎになると、さすがに疲れてうつらうつら…、ふっと傍らのパーリンカを見ると半分以上無くなっているではありませんか? きついお酒ですからちびちびとしか飲めません。いつの間に……気がつかないうちに誰かが飲んだのでしょうか……??? 誰も部屋に入ってきた気配はなかったのですが……

7時には荷作りをし、シャワーを浴びて出かける準備です。ぼんやりとした重い頭のまま8時半に家を出て10時前に空港に着き、搭乗手続きを済ませラスロに見送られてゲートを入り、飛び立つまでの時間、空港の喫茶でコーヒーを飲みながら、考えるともなく頭には「今年の講習会もハンガリーの皆さんのお役に立てたのかな? 皆さん私の指導で喜んでくれたのかな? 毎年指導した技は詳細に記録しておりますので、一年間自分自身もっともっと深く研究して、来年の講習会には一つでも新しいことを指導しなければいけないな、と、心に深く誓いながら」機内に入りました。
ブダペストからウイーン1時間弱、ウイーンから成田(帰りは若干短く11時間10分)まで、再び長い長いうんざりした時間をかけて帰国の途につきました。
しかし、大威張りで海外指導なんて言っていますが、よく考えてみれば留守を守ってくれる道場長がいて、私の替わりに指導してくれる指導員がいて、はじめて安心して海外に出かけていけるのです。
「感謝! 謹謝! 深謝!」 皆様!…ありがとうございました。
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